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「大(からめ・脂・にんにく)」@ラーメンこじろう 526 武蔵小杉店の写真かつて小杉二郎は鶴見と並んで神奈川の二郎の最古参の一角を成していた。
その味は開店当初から一貫してあまり変わっておらず、
出汁の薄いスープに細麺を合わせたもので、俗に言う「カネシ湯」スタイルの哲学を頑なに貫いている。
当初は三田の味とのギャップから、日吉から2駅にもかかわらず慶応の学生の話題にはほとんど上らなかったが、初期のネット上で活動していた小町軍団なる連中に推されるなど、味よりもネット上のインパクトを狙う層には受けていたように思う。
しかしその後、なぜか店の雰囲気も店員の接客も険悪化の一途をたどり、大を頼む客を威圧するように量だけ激増、挙げ句の果に「二郎」の商号消失と、数奇な変遷の末に現在のコジロウの形に落ち着いた。

前に来たのがいつか全く思い出せないほど久しぶりに小杉に来てみた。客は私と土木系の兄さんの二人、兄さんはずっと携帯で誰かと話をしている。以前のこあがりは完全に物置スペースになっていて、厨房をまかされる息子氏の顔にはかつての殺気がない。どこか時が重く停滞しているようだ。

着席からほどなくして、蚊の鳴くような声で「にんにく~~~?」 一瞬あっけにとられたが、あ、これこれ、小杉はこのリズムでしたよ。前の方のレビューでも言及されていたが、現在はコール時に食券を確認するというマジカルなオペレーションで動いていて、それでもきっちりとデポ2杯入れられた「大」が提供された。

台から降ろした丼を一目見て、あ、これこれ、これが小杉の大ですよ、とかつての記憶がよみがえる。カネシ湯を覆う透明な脂の層越しに、大量に詰め込まれた小杉細麺がうごめている。一口すする。これこれ、これが小杉のカネシ湯ですよ。豚の出汁の弱いスープに、大量の醤油、化調、液体脂で、アグレッシブなチューニングがなされている。麺はぼそっとした細長麺で、カネシ湯とのからみは悪くない。野菜はいさぎよく100%もやし、豚は家庭で作るような豚バラのブロック。二郎らしさ?と問われると答えに窮するが、こういうものとして考えれば、意外に完成された一杯なのかもしれない。ただ、小杉の「大」には致命的な欠点があって、味が単調なので、すぐに飽きがきてしまうのだ。舌が飽きを認識してしまったら、あとは引きずり出しても引きずり出しても減らない小杉麺との果て無き不毛な格闘となる。まあ、要するに、大を頼むべきではないのだ…。

以前は小杉に肯定的な評価は持てなかったが、軽薄な再開発に浮かれる武蔵小杉の街に背を向けるように、ただ黙々と完結したカネシ湯の一杯を提供し続けるコジロウの姿勢には、ある種の美学を感じないでもない。

丼を上げて息子氏に「ごちそうさま」と言うと、また蚊の鳴くような声で「…した~~~」。十年後くらいにまた来てみよう。

投稿(更新) | コメント (2) | このお店へのレビュー: 0件
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コメント

Fat'n Garlicさん、こんばんは。
カネシ湯
この表現が一番しっくり感じますね
食べたことある方ならウンウン言っちゃいますね。
おどろおどろしい感じが再開発の武蔵小杉に反比例
でもそれがいい
斜めな写真にアグレッシブ
素晴らしいですね〜

ひゃる | 2021年1月29日 22:45

ひゃるさん、ありがとうございます。確かに再開発のいけいけな街とやさぐれた526のコントラストが、なんともたまりません。実際、自分から積極的に526に行きたいという気分にはなかなかならないのですが、ひゃるさんのレビューを見て、あ、なんか久々にあの雰囲気を見てみたいと今回の訪問に至った次第で、感謝しております(笑)

Fat'n Garlic | 2021年1月30日 20:47