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「広東麺(サービス単品。800円)」@中国料理 百老亭の写真長野バンメン発掘物語 其之弐

 ・・・なんか、ホッとするね。こういう老舗の店は大当たりと言うことも少ないが、外すことも少ないさ。正直、最近は辨麺を食べたり、老舗の中華店ばかりに行ったりで、いまどきのラーメン専門店にはとんとご無沙汰。そういう店にも行きたいのだが今回の長野の旅では、バンメンを3食食べると決めていたからね。正直昼飯3食続けてバンメンというのも飽きてしまうのだが・・・
 
 信州長野最終日のこの日、昼飯3食目を食べようと決めていた店。それは 本郷食堂。前日、明日行くからと念のため再度調べると、うーん、クローズした、との情報である。1週間ほど前には気が付かなった。どうやら2017年頃に閉店してしまったようである。残念だが仕方ない。ともあれ、松本駅からバス便で20分ほどかかるから事前に分かっただけでも良しとしよう。それに、バンメンに飽きたのも事実。

 さあ! 代替店だ。いまどきの流行拉麵店に行こうじゃあないか! 帰りの電車は松本市発の「あずさ」の座席を指定しているから、松本から動けない。で、良さげだな~と思った店は・・・
鴨麺 あら井 平均スコア87点超! けれど。定休日。
つけ蕎麦 中華蕎麦 尚念 松本店 南松本が本店なるも、こちらも平均80点超! けれど。店に行ったら工事中~ よーく調べると「短い間でしたがありがとうございました。閉業しました」。って・・・

 あーあ、面倒くさい。結局、松本城をちょっと眺めてコチラに来たさ。「松本駅 中華 老舗」でググったわけだ。調べてみると創業は1971年だから50年超の歴史がある店。此処ならハズレることはなかろう。

 で、頂いた最初の感想は冒頭のとおり。スコアが示すように、おお! と感嘆するわけではないが、ナンダコレと嘆くわけでももちろんない。どちらか言えば「うん、イケル」のだ。

 店の感じは、所謂「中級中国(広東)料理店」。だからスープもうーんと唸るようなものではないけど、しっかりしており奥行きもある。麺だって汎用チックな軟い中華麺ではなく、細いが噛み応えがある。海老、烏賊、鶉卵といった広東麺のちょっと高価な定番素材も入っている。実はこの品、普段なら単品1,000円のプライスタグが付く。しかし、この日はラッキー、というか、行きたかった店3店にフラれた代わりということか、「本日のサービス品 広東麺セット 850円也」の板書が店頭にあった。

 店に入ってオネエサンに尋ねると、広東麺セットはデザートとライス、サラダが付く。普段なら単品1,000円だが、本日はお得なサービス品となっており、単品でも注文可、だそうだ。「あ、800円ですから、単品です」。おお。それは有難い。ボクはもはやセットものなぞ喰える気がしないから。

 食べた感想は前述のとおりで、おそらく数日経ってしまうとデティールは忘却の彼方、ってなことになろう。それだけ無個性ではあるものの、不満がないというのは、ボクのような一見客にとっては重要なこと、である。松本まで来てそういう一杯かよ、といささかつまらない気がしないでもないが、お目当ての店がもう存在せず、あちこち探して歩く体力もなければ致し方ない。それにコチラ、店舗情報を修正しておいたが、創業して五十年を超えた老舗。老舗中華料理店ハンターのボクとしてはこういう店に足が向くのである。松本城からさほど距離はなく、老舗とはいえきちんとした造りなので、観光シーズンであれば結構な客で賑わうのだろう。この日は平日の昼前であるが、地元客らしきで結構賑やかであった。まずまずの一杯、ご馳走様。

 
 ・・・という訳で2泊3日の信州長野でのバンメン調査の旅はこれにて終了、なのだが、あと1食は未レヴューである。これから書く、ということだ。そこは今回の2泊の旅での大本命店である。で、その店のことを書いてしまう訳には行かないのである。それはボクのブログ(「拉麺歴史発掘館」)のラストテーマになるだろう『横濱辨麺発掘物語(仮題)』にリンクさせる予定であり、まだ半分しか書いていないからだ。

 長野にきて、都合3店3食しかべることは出来なかったが、バンメンについていくつか分かったことがあり、推測の域は出ないにせよ、満足いく結果を導き出すことが出来たことは望外の喜び、ということにしておく。

 前回、上田の福昇亭 でのレヴューの際、ボクは『辨麺には少なくとも2系統あるのだ、と確信した』と書いたが、半分は正しく半分は間違っている、と訂正する。

バ ンメンは横濱の山手地区を中心としたエリアに提供店が多い。東京や千葉にも提供店はある(あった)。しかし、遠く離れた長野にはどういう経路で伝わったのか?

 おそらく、というか、まず間違いなく横濱と長野のバンメンは同根ではある。しかし、途中で成り立ちを大きく変えてしまった。元は無論中国の麺料理で、明治期に作られた日本での根っこはもちろん横濱。途中、その横濱系と、便宜上「長野系」と呼ぶが、上田や松本に僅かに残っている数店との2系統に分かれて今に至った、とボクは考えている。

 2系統の決定的な違いがある。横濱系は漢字表記をする店も多く、『辨麺』若しくは『弁麺』である。

 ところが、長野系は提供店で漢字標記している店は一つもない。
◆閉店してしまって、今回は行けなかった本郷食堂 →『バンメン』
◆先日伺った福昇亭→『ばんめん』
福昇亭の縁戚が経営する上田日昌亭→『ばんめん』
◆松本の驪山 →『ばん麺』

 もちろん横濱系の中でもバンメンやばんめん、などと漢字を用いない店もあるので、それが決定的な違いにはならない。横濱系は、ぬこ@横浜 さんからも指摘があったのだが、『辨麺』という麺料理はいつしか、この店で食べたこの品=“広東麺”、あるいは日本人がもっと分かりやすい標記であろう“五目うま煮そば”と呼称が変化していった、全国でも稀少な、純然たる汁そばであることは何度も書いた。一方、『拌麺』と表記するバンメンは都内でも時々見かけるまぜそば(汁なし)である。

 結論を書いておこう。

 長野系のバンメンの元は、『拌麺』、であった。それも汁なしではあるにせよ、まぜそば、ではないのである。

 その答えは、松本駅からバスで15分ほどの店の品書きに隠されていた。
(次回に続く)

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コメント

閉店や定休日など大変でしたね😣
そもそも2種類のバンメンは字が違うんですよね。
答えが楽しみです😊

NORTH | 2022年10月4日 19:13

探求の旅、お疲れ様です。
「鴨麺 あら井」さんには行きましたが、なかなか良かったですよ。
尚念さんは、「道」系ですから、ここで行かなくてもよかったでしょう。
「ひづきさん」はなかなかハイレベルでしたが、これも閉店して、支店の方が残ったようで。
次回のレポも楽しみにしています。

RAMENOID | 2022年10月4日 20:49

どもです。
遠征して数年前に閉店してたとか工事中って
ある意味笑えますね😅
でもそれは、本当の大本命は抑えている
余裕からなんですね(笑)

こんにちは。
本郷食堂は残念でした。
長野系バン麺、汁無しだけど混ぜそばでは無いとはどんなのか気になります。
新橋の福臨という中華料理屋の外に出てるメニュー表にバン麺(中国風まぜそば)てありましたよ。中国系の方が経営する小さな四川料理の店です。

kamepi- | 2022年10月5日 04:43

おはようございます^^
昨夜コメ入れしたつもりでしたが、入ってない😅
信州遠征お疲れさまでした。紆余曲折があったようですが
一つの結論を導き出せたようですね。
ブルさんの文章は人を引き付けるので引き込まれますね。
次も楽しみです(*^-^*)

mocopapa | 2022年10月5日 06:08

おはようございます😃

この日はご苦労されたようですね。
「中華 老舗」とググるところが筋金入りです。
今回の遠征、研究家に大きな糸口をもたらしたようで。
今後期待してますよ。

としくん | 2022年10月5日 07:21

当初目的のお店の閉店やらで
辿り着いたこちらのお店。

個性は感じられなかったようですが、
800円のサービス価格もあって上々の満足度でしょうか(;^_^A

YMK | 2022年10月5日 07:36

追伸
昨晩コメしたこと思い出しました(笑)
池波正太郎の下り、消しちゃいましたか?
昨夜思わずAMAZONで「むかしの味」を注文しちゃいました。

mocopapa | 2022年10月5日 07:46

おはようございます
松本は高校の部活の時に合宿で1年の時と2年の時に。
大人になってからも仕事で3ヶ月住みました。

あらチャン(おにぎり兄) | 2022年10月5日 08:45

松本第一の部長の家が中華屋でいつも食べさせて貰ったんです。
お礼にレポを上げたいのですが、やっぱり名前も分からなくて、場所も覚えていないのです。
今コメントしながらも懐かしい^ ^

あらチャン(おにぎり兄) | 2022年10月5日 08:52

こんにちは。ということは「驪山」に行かれたのですね。メニュー表には「五目うま煮のせ」になっていますが、他に手掛かりが? とにかく、満足いく結果を導き出すことが出来たのは喜ばしいことです。早く知りたいです。また、『横濱辨麺発掘物語(仮題)』が完成したら教えてください。

いたのーじ | 2022年10月5日 11:57

連コメすいません。こんな記述を発見しました。
「日清戦争が終わり江戸幕府が諸外国と締結した不平等条約が改正された頃、横浜に渡来した中国広東省出身者が作る汁無し和え麺の “バンメン(拌麺)” が、汁の多い麺を好む日本人の嗜好に沿って、汁が多めの “バンメン(辦麵・弁麺)” へ時間を掛けて変貌したと言われています。」

いたのーじ | 2022年10月5日 13:34

お元気そうで何より!
好きな事が一番!!

junjun | 2022年10月6日 07:31

思わぬ迂路曲折を含めてお疲れ様でした。

いたのーじさんのコメにもなるどと。
興味深くて、続編も楽しみです。

それではまた。

おゆ | 2022年10月7日 09:26