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「ひつじそば ¥1350」@ひつじそば 人と羊の写真平日 曇天 13:30 先客6名 後客2名

〝ニューオープン 探検記〟

台湾と沖縄遠征をしているうちに数多くの新店情報が挙がっていた。久しぶりの自宅のベッドで目が覚めると正午をとっくに過ぎており、慌てて身支度を整えて家を出た。半蔵門線で神保町に着くとマップを片手に新店を目指したのだが、歩いているうちに目的地が「ねいろ屋 神保町店」の跡地だという事に気付いた。好きなラーメン店だっただけに閉店された事を残念な思いで進んで行くと、開店祝いの花が並んだ店先に着いた。

店頭に置かれた立て看板を見ていると、店の外にまでラムかマトンの香りが漏れてきている。それだけで新たなジャンルのラーメンだと分かるくらいに、超個性的な香りに引き寄せられるように白い暖簾をくぐった。

店内に入ると見覚えのある内装を見た時点で、ようやく気が付いた。「ねいろ屋 神保町店」そのままの設えだったので居抜き物件とは思ったが、店内のメニューの手書き文字を見て確信した。こちらは「ねいろ屋」が、店名とメニューを変えてのリスタートを切った店だったのだ。

こちらのオーナーは素材や産地にこだわり〝無化調〟を当たり前とするスタンスなのが、エンドユーザーである食べ手にとっては安心できる店のうちの一軒だと思ってる。そんな信頼のおける店に気持ちが落ち着いたところで、壁に貼られた手書きメニューを吟味してみる。メニューを見るまでもなく、店名や店内に漂う匂いからも〝ひつじ〟に特化したラーメンなのは肌が感じとっていた。そんなメニュー構成の中から、ハイエンドモデルと思われる標題をオーダーしてから店内を見渡してみる。

以前と変わらぬ壁沿いに並行に設けられたカウンターだけの店内を、本日は二人体制で回している。調理場が奥まった独立タイプなので調理工程は見られないが、キッチンタイマーの音に集中しながら待っていると、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿はステンレス製の受け皿に乗せられた以前と同じ砥部焼の玉淵丼の中で、失礼ではあるが苦手な個性を打ち出した、インパクト重視のラーメンに見えた。ラーメンに対しては異常なほどに保守派なので、見慣れない具材があると尻込みしてしまうのだ。そんな具材陣を検証するためにも、心を強く持ってステンレス製のレンゲを手にした。

まずは鳥の子色のスープをひとくち。レンゲを沈める以前に、店内の香りをさらに凝縮させたようなラムの豊潤な香りが押し寄せてくる。それは平成時代に〝グラビア界の黒船〟と呼ばれた〝リアディゾン〟よりも四半世紀以上も前に、昭和の日本男児を魅了した〝アグネスラム〟のような豊満さを思わせる。液面には油膜が微かにしか見られないので、スープが発する熱を顔面でダイレクトに感じながらレンゲを沈めてみた。見た目同様に濃度を感じさせないスープが、サラリとレンゲに注がれてきた。それは女性にも罪悪感の少ない、ヘルシー志向の流れを汲んだ清湯スープとなっている。そんな見た目は穏やかながらも香り高いスープを口に含むと、今まで味わった事のない鮮烈な旨みが襲ってきた。巷には数々の清湯系スープが存在するが〝羊清湯〟を味わったのは初めてだった。そこには他の動物系や魚介出汁に頼らずに、ひつじ全量で炊かれたオリジナリティあふれるスープが存在している。ラム嫌いの方には信じがたい仕上がりとなっているだろうが、ラム好きの私にとってもは顔を埋めたいくらいの羊感を表現している。その個性的な羊出汁に負けないように、塩気が高めに設定されているのが残念に思いながら麺へと移行してみた。

タイマーの音からすれば麺上げまでジャスト40秒の麺を持ち上げてみると、色白ながらも全粒粉のフスマが点在するストレート細麺が現れた。スープだけでなく、あまり見た事のない麺肌に興味が湧いて一気に麺をすすり上げてみた。 24センチ程度に切り出しされた麺のすすり心地は抜群で、過剰なハリを感じさせないが滑らかな口当たりが印象的だ。細麺ではあるが、モッチリとしたコシの強さもあるので食べ飽きしない。そんな麺を噛むと小麦の香りはスープの香りに負けて感じづらいが、良質の小麦ならではの甘味が引き立っている。スープの塩気の強さは、この甘みを引き出すためなのかもしれないと感じた。

ハイエンドモデルなので、具材陣は見慣れないバラエティに富んだ布陣となっている。一番最初に食べたのは、ラム肩ロースの低温調理で薄味仕立てとなっていた。香辛料を少なめに調理されたラム肉は、独特のクセを残した味付けがラム肉本来の質の良さを物語る。よほどの鮮度の良さがないと勝負できない攻めの味付けには、ラム肉に対する自信の表れを感じられる。さらには低温調理ならではのしっとりとした舌触りと、柔らかな食感が持ち味となっている。

一方のラムのテリーヌは粗々しい食感と、鮮烈なスパイスの使い方が組み合わせが見事な具材だ。粗めにミンチにされたラムの肉々しい歯応えの中に香る、クローブなどの香辛料が風味付けとなり力強くも華やかなテリーヌを味わえる。

彩りを兼ねた野菜たちも、見た目以上の役割を果たしている。インゲンは食感のアクセントだけでなく、野菜本来の甘味を感じられる。ミニトマトには一仕事が施されていて、トマトそのままではなくセミドライに調理されていた。よってトマトの旨みが凝縮して、小粒ながらも味の濃さを生んでいる。客の中にインゲンが苦手な方がいたのだが、インゲン抜きには代わりにセミドライトマトを増量する対応力も素晴らしかった。

薬味の赤玉ねぎは辛味を残してあり、香りや食感ともに全体を引き締めてくれる。青みのパクチーは好みがあるだろうが、部分の違いでサポートの仕方も異なっていた。硬めの茎の部分はテリーヌと一緒に食べると食感のがプラスされ、葉先の柔らかな部分は麺との共演を楽しめた。

中盤からは塩分過多に拍車がかかりスープを飲み干す事はできなかったが、アクセントに使われていたスパイスのセージの爽快感で幕を閉じた。

ラーメンとしては賛否両論があると思うが、一つの料理としての評価ならば高いクオリティである事は間違いないと思った。この他のメニューには魚介出汁とブレンドしたラーメンもラインナップされていたので、次回はぜひ試してみたいと思った一杯でした。

投稿 | コメント (3) | このお店へのレビュー: 0件

コメント

やはり来ましたか!〝リアディゾン〟〝アグネスラム〟何も言えねえ!
40秒、24センチ!は秒単位、センチ単位まで攻めますか?今度測りに行ってみます。
"一つの料理としての評価ならば高いクオリティ”ならいいじゃないですかもっと評価UPで!

虚無 Becky! | 2019年11月13日 00:31

でも今回は拉麺のマシなレビューでしたねw

虚無 Becky! | 2019年11月13日 00:32

首からストップウォッチをぶら下げて、手には30センチ物差しを持っているのを見かけたら、それが私ですw ベキさんのおっしゃる通り一つの料理としての評価をする為に、次回からは食べログにてレビューした方が良いですかねw

のらのら | 2019年11月13日 09:29